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老後を考慮した家は必要ない!サラリーマン夫婦が合理的に説明します。

おぐ
おぐ
こんにちは。FP(ファイナンシャルプランナー)のおぐ(@OGU_Blog)です。

家づくりをする上で、現在住みやすい家を造る老後も考慮した家を造るか、一度は必ず悩むと思います。

そりゃ老後も考慮した方が良いだろうけど、土地選びから条件が変わってくるし、建物はプラスアルファの仕様を追加することになるので費用もかさんでしまう…。

2015年に注文住宅を建てた私も、当然悩みました。

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そして色々検討した結果、現在住みやすい家を造る方を優先したんです。

どうして現在住みやすい家を優先したのかについては、いくつか合理的な理由があります。

これから注文住宅を建てたいと思っている方は、参考にしてみてくださいね。

 

老後、住みやすい家とは。

老後住みやすい家とは

まず、老後住みやすい家ってなんでしょう。

子どもたちが独立して夫婦二人になったという前提で、必要かなと思ったのは下記の条件でした。

土地の条件

  1. 電車・バスなど、公共の交通機関から自宅までの距離が近い。出来れば駅が近い。
  2. スーパーやコンビニなど、商業施設が自宅から徒歩圏内。
  3. 病院も近い方が望ましい。

建物の条件

  1. 平屋
  2. 夫婦二人に見合った、少ない部屋数
  3. バリアフリー(玄関スロープ、バスタブを低くする、段差をなくす等)

 

その他の条件などもあるかもしれませんが、私が思いついたのはとりあえずこれだけ。

もし「私は老後を考慮した家づくりがしたい!」って考え寄りであれば、どんな条件を考慮すべきか、プロに相談するのが良いと思いますよ。

 

土地の条件:必要性とコストで考える。

土地の条件

利便性の高い土地を求める理由

上で挙げた土地の条件って、イコール利便性の高いところが良いってことですよね。

で、利便性の高い土地を求めるのって、やっぱり歩く距離・時間を短くしたいから、でしょう。

それなら、そんなのクリアするのは簡単です。

おぐ
おぐ
タクシーを使えばいいんですよ

タクシーなら「ドア to ドア」で、ほとんど歩きません。

なんなら、重い荷物だってヘッチャラ!

タクシーなんて使ったら、お金いっぱいかかっちゃうじゃん!

って思ったあなた。

利便性の高い土地を選んだ時点で、すでに高いお金使っちゃってるんですよ!

そう、土地代です。

トータルコストで比較する。

これに限りませんが、何かを購入するとき、

  • イニシャルコスト(購入するもの、そのものに支払うお金)
  • ランニングコスト(購入したものを維持する為にかかるお金)

 

これらを合計した、トータルコストで比較する必要があります。

(長年大手企業のバイヤーやってたんで、コスト比較は得意中の得意です。)

例として、私の住んでる地域の相場で考えてみましょう。

大前提の条件

  • (A):土地代2,500万円。駅・商業施設・病院など、徒歩5分程度。
  • (B):土地代1,000万円。駅・商業施設・病院など、徒歩25分程度。(約2km)

 

(A)(B)共通の条件

  • 30歳で土地(住宅)を購入し、90歳まで生きる。
  • 車を1台所有。70歳には手放す。
  • 30~70歳までは、休日の移動手段は車。
  • 夫婦の通勤費は、会社から支給。
  • 子どもの通学費について、駅までは徒歩or自転車での移動とし、バスなどの定期代は無し。

※車の維持費・休日移動のガソリン代・子どもの通学にかかる電車定期代など、(A)(B)ともに共通でかかる費用は、計算対象外とする。

 

(A)の条件

  • 30~70歳まで、平日の買い物やその他用事など、基本は徒歩での移動
  • 70~90歳まで、平日・休日に関わらず、基本は徒歩による移動

 

(B)の条件

  • 30~70歳まで、平日の買い物やその他用事など、基本は車での移動
  • 70~90歳まで、平日・休日に関わらず、基本はタクシーによる移動

はい、ここで(B)だけ掛かる費用が出てきたので、総額でいくら掛かるのか、計算してみます。

(B)のみ掛かる費用

①30~70歳までの40年間、平日の車移動に掛かる交通費

・一日のガソリン代

駅・商業施設・病院などがあるエリア(往復4km)に、一日に1回は出かけることとする。

リッター価格(146円)÷ 車の燃費(10km/L)× 走行距離(4km)= 一日のガソリン代 58円

参照:e燃費

 

・年間の平日数

土日祝日が休みとして、平日は年間248日。(2018年ベース)

参照:営業日数計算 – 高精度計算サイト

 

・40年間の平日の車移動に掛かる交通費総額

一日のガソリン代(58円)× 年間の平日数(248日)× 40年間= 575,360円

 

②70~90歳までの20年間、タクシー移動に掛かる交通費

スーパーなどの商業施設へ月8回(週2回)、病院へ月1回、その他の用事で月4回(週1回)出掛けて、合計で月13回タクシーを使うこととする。

一回の移動距離は、駅・商業施設・病院などがあるエリアまでの往復4kmとする。

往復タクシー料金(1,600円)× 13回 = 1カ月のタクシー料金 20,800円

 

・20年間のタクシー移動に掛かる交通費総額

20,800円 × 12カ月 × 20年間 = 4,992,000円

 

①と②の合計、5,567,360円

※車の燃費・ガソリン代・タクシー代などは、現時点での相場をもとに計算しています。

 

この約560万円を(B)の土地代に加算すると、合計で1,560万円。

生涯に渡って掛かる交通費を加味しても、(B)は(A)より940万円も安いことになります。

でね、私たちってネットショッピングやネットスーパーって当たり前の世代でしょ?

年取って腰が重くなったら、間違いなくさらにネットを活用しますよ。

それに現在問題視されている、高齢者の自動車事故問題。

すでにあらゆる自治体で、高齢者が運転免許証を返納すると、タクシーチケットやバス利用券提供って取り組みしてます。

おぐ
おぐ
うちの両親も、免許返納してチケットもらってました。

運転免許証の返納に限らず、今後も高齢者が優遇される社会の仕組みは、根本的には変わらないでしょう。

だって、若い人って選挙で投票しないから。

少子高齢化で高齢者の全体数が多い上に、政治家は選挙で当選したいから、積極的に投票してくれる高齢者世代に特化した政策を当然打ち出しますよね~。

ってことは老後に掛かる交通費って、実際にはもっと安くなりそうですよね。

金銭的なメリットも大きいし、老後はタクシーで重い荷物も運べて便利。

こう考えると、上記で挙げた土地の条件が重要ではないということ、おわかり頂けたと思います。

それはあなたの地域で、比較した話でしょ?
自分たちの地域だと、金額的なメリットってあるの?

と思われた方。

プロに相談すれば、あなたの住みたいエリアで比較検討してくれますよ!

【無料】注文住宅の相談受付サイト【タウンライフ注文住宅相談センター】

建物の条件:本当に老後も住むのか?

建物の条件

さて、建物のお話。

まず家を建てる目的を考えれば、①平屋とか②少ない部屋数っていうのは選択肢から外れます。

おぐ
おぐ
だって子どもが生まれて、子ども部屋も作ってあげたかったから、注文住宅を考えたんだもん。

QOL(生活の質)を上げたくて家を建てるのに、QOLが下がっちゃう家にするなんてことしないですよね~。

あ、もちろん子ども部屋とかをちゃんと確保したうえで、平屋を造れるような広い土地をお持ちの方は平屋って選択肢もあると思いますよ!

いいなぁ、羨ましい。

まぁ、家の基礎が広くなる分、二階建てより割高になっちゃいますけどね!←精一杯のイヤミ!

で、③バリアフリー住宅にするかって話です。

これね、私たち夫婦ともに全国展開している会社に勤めている以上、転勤の可能性は否定できない。

というか近場ですみましたが、夫は一度転勤済み。

毎週末、自宅に帰ってこれる距離であれば、単身赴任という手もありますが、海外に転勤の可能性も実はある。

我が家の方針として、そうなったら家族で移住するつもりです。

つまり、今の家から引っ越す可能性もそれなりにある、ということです。

まぁ可能性の話ばっかりしてたら、そもそもなんで注文住宅建てたの?ってことになっちゃいますよね。

そこはやはり

  • 「一戸建て」に対する自分たちの憧れの強さ
  • QOL(生活の質)をどこまで求めるか
  • 転勤する可能性

 

などなど色んな要素を照らし合わせて、その家庭ごとに決めるべきことだと思ってます。

話は戻りますが、我が家の場合、この家から家族で引っ越す可能性もそれなりにあることを想定しました。

で、30年も先のことを考慮した家づくりは、今この時点でしなくてもいいんじゃない?ってなったわけです。

将来その時がきてから、住み替えなり建て替えなりを検討しても良いよねって。

国土交通省が出している「平成27年度住宅市場動向調査報告書」によると、住宅を購入した人の15%以上の人が、住み替えをしている(住宅を2回以上取得している)そうです。

住宅取得回数

出典:平成27年度住宅市場動向調査報告書 P11

私的には多いとも少ないとも思わず、それなりにいるんだな、という数字でした。

 

そして住み替えをした世帯の平均世帯年収は、720~950万円だそう。

世帯年収 二次取得者

出典:平成27年度住宅市場動向調査報告書 P23

世帯年収だけで計れるものではないけど、一応我が家的には将来の住み替えも視野に入れられる範囲内かなって。

 

まとめ:老後を考慮した家を建てるべきか?サラリーマン夫婦が合理的に考えました。

老後を考慮した家は必要ない。まとめ。
  • 利便性の高い土地に住まなくても、利便性はタクシーで叶えられる。
  • トータルコストで考えた場合、利便性の高い土地に住むより、ちょっと離れた土地でタクシーを利用する方がお得!
  • 小さな子どもがいる家庭では、今現在「平屋」・「部屋数が少ない家」を建てるというのは現実的でない。
  • 転勤などで引っ越す可能性もある場合、30年先を考慮した家づくりは今しなくてもいいんじゃない?
  • 住み替えしている人は15%と、それなりにいる。
  • 住み替えしている人の平均世帯年収は、720~950万円。

というわけで、我が家は現在住みやすい家を造る方を優先したというわけです。

それでも利便性の高い土地に住みたいという人や、老後も考えてあらかじめバリアフリー住宅にしたいという人もいるでしょう。

それで、全然OKだと思います!

色々な人の見解・考え方を知った上で、自分の希望する家を造っていくことが一番大事

特に公平な立場でのプロの意見を仰ぐと、いろんな知識や考え方が聞けて、とても参考になります。

実際私も注文住宅を建てるとっかかりは、注文住宅の無料相談サービスでした。

注文住宅を建てる際の流れや費用のこと、自分たちの希望に合うハウスメーカーなど提案してもらえて、非常に役に立ちましたよ!

「3回建てないと理想の家は建てられない。」なーんて言葉もありますが、プロの意見も借りつつ、出来るだけ後悔しない家づくりをしてくださいね!

以上、ここまでお読みくださり有難うございました!